【障害福祉サービス】虐待防止措置の実効性を高めるために(広島市の行政書士)

岐阜県の障害者支援施設での虐待事件に対する第三者委員会の報告書が2026年12月に発表されました。障害福祉サービス専門の広島市の行政書士が、それを受けて事業所が取り組むことを再確認します。

 

虐待防止措置未実施減算への対応だけでは不十分?

第三者委員会の報告書には「虐待がまん延する風土が醸成」と指摘されています。

にわかに信じがたい内容ですが、詳しく見ると他山の石とすべき指摘がされています。

 

1, 虐待防止措置未実施減算で必要な措置

  • 専門の委員会を年1回以上開催し、その内容を全員に周知する
  • 虐待防止研修を年1回以上開催する
  • 専門の担当者を配置する

この3要件を満たさないと減算ですが、この3要件を満たしていても実際の虐待を発生させないためには不十分です。

 

2,虐待の発生を招いた組織的な要因

  • 法人や事業所の理念を業務に具現化する仕組みが不十分である
  • 事業所の風通しが悪い
  • 利用者の声を聞く仕組みが形骸化している
  • 業務負荷の増大による心理的ストレスが増加している

これらは虐待発生の直接的な原因ではないですが、利用者と従業員の満足度を高められなかったことが複合的に重なった結果、虐待に至っています。

 

3,虐待防止措置の実効性を高めるために取り組むこと

  • 従業員の人権意識の向上のために、座学の研修だけでなく、ケーススタディやグループディスカッションを取り入れ、事業所としての目線の共有を図る
  • 心理的安全性を高めるために毎日の業務プロセス内に「フィードバック」の時間を設ける(虐待だけでなく、利用者の支援に関する報連相に対する心理的ハードルを低くする)
  • 利用者との面談の方法について、自由回答式でなく、選択回答式にするため面談アンケートの項目を言語化する(何か困っていることはないですか、だと利用者自身が言語化しにくい、利用者の判断基準に依るので虐待案件が顕在化しにくい)
  • 日常的に外部の目がある環境を作る(地域住民との交流、地域イベントへの参加)
  • マニュアルを整備し、相談窓口を明確にする
  • 人事体制・教育体制を整備して悪い情報が法人代表者・管理者・サビ管(児発管)に報告される仕組みを維持する
  • 相談できる外部機関を周知する(第三者委員会、行政書士、行政の窓口)

 

4,まとめ

最初から悪意ある場合を除いて、虐待は当事者間では虐待の認識がないこともあります。(いわゆるストックホルム症候群)

したがって業務の属人性はできるだけ排除し、常に複数の判断基準が存在する状態が望まれます。実は虐待防止の取り組みは処遇改善加算の職場環境要件とも共通性があり、人材確保にもつながります。

 

 

 

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